時計の常識を変えるムーブメント: パワーマティック 80

1853年創業のスイスの時計ブランド ティソは2013年、最長80時間という驚異的なパワーリザーブと比類なき精度を誇るムーブメント「パワーマティック80」を発表し、時計業界に革命をもたらしました。従来のムーブメントにおける42時間パワーリザーブの枠を超え、時計製造において歴史的な偉業を成し遂げたのです。

ティソー・パワーマティック80の機械式ムーブメントをクローズアップで撮影し、歯車の精巧なディテールと金属仕上げを映し出している。

その快挙の背景にあったのは、ムーブメント製造メーカーのETAとティソとのコラボレーションによって誕生したキャリバー2824の技術的進化でした。振動数を4Hzから3Hzに下げることで、時計のエネルギー消費を最小限に抑え、

革新的なチタン合金 ニヴァクロン製のヒゲゼンマイの導入により、時計の耐磁性が大幅に向上し、機能性と信頼性が高まりました。

さらに香箱芯の直径を小さくすることで、主ゼンマイをさらに長くすることができ、パワーリザーブの時間を増やすことに成功しました。その結果、最長80時間を誇るティソ パワーマティック80が誕生したのです。パワーマティック 80を搭載した時計は、金曜日の夜に時計を外して、週末の間、着用することも巻き上げることもなく、月曜の朝をむかえ、所有者の手首に戻ったときにも正しい時刻を表示し続けます。

そしてこのパワーマティック 80では、新しいタイプのテンプと高度な調整システムを統合することで、より高い精度と堅牢性を実現しました。高い堅牢性を実現を達成した1つの要素となったのが、従来のインデックス・アセンブリシステムを取り除き、革新的なテクノロジーに置き換えるという新しい時計の調整方法でした。

TissotのPowermatic 80ムーブメントのバランス車のクローズアップ、スプリングと金色の円形ケース付き。
ティソの自動巻きムーブメント、ローター、振動体、詳細な部品が含まれており、Tissot 1853のロゴが刻まれています。

どんな時でも正確な時刻を保証する革新的なテクノロジーを発表し、ティソは長年採用されてきたインデックス・アセンブリシステムに別れを告げました。

3つのレベルの精度


妥協のない技術性能を維持しながら、さまざまなお客様のニーズにお応えするため、パワーマティック80ムーブメントは、3つの異なる洗練されたタイプで提供されています。

  • スタンダードバージョンは、日差±7秒の精度を誇り、+3 秒の調整によって、日差 -4 ~ +10 秒を実現しています。また、精巧なサテン仕上げのブリッジと、ロゴがプリントされた堅牢なサテン仕上げのローターを備え、クラシックドリームといった自動巻き時計の入門モデルとして手軽にご購入いただけます。

  • 「ル・ロックル」や「PRX」といったモデルに採用されているエラボレイテッドバージョンは、日差±5秒の精度を誇り、+3 秒の調整によって、日差 -2 ~ +8 秒を実現しています。また、ブリッジの仕上げがより豪華となり、ローターにはスケルトン加工や「Vague du temps」模様のエングレービングが施され、より高度なクラフトマンシップを感じさせます。

  • そしてバラードに採用されているCOSC認定バージョンは、厳格な検定プロセスを経たクロノメーター認定に基づく日差±5秒の精度を誇り、+1 秒の調整によって、日差 -4 ~ +6 秒を実現しています。このグレードは、ティソの技術的とデザインノウハウの頂点を示すものと言えます。

ティソのPowermatic 80ムーブメントの構成部品である合成ルビーが、鉛筆の芯の先に置かれ、その小ささを示しています。
クローズアップで、ティソのPowermatic 80ムーブメントの構成部品である合成ルビーが鉛筆の芯の先に置かれ、その小ささを示しています。


パワーマティック 80は、仕上げと精度に置けるバリエーションを持ちながら、3つすべてのレベルにおいて、信頼性、パワーリザーブ、耐磁性能に妥協のないムーブメントです。

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